【特別展示】音楽と動物と魚沼を愛したアメリカ人が好きなものだけ集めた小さな展覧会
開催期間:10月29日(土)〜12月23日(金)
元国際大学の先生で2021年に亡くなられたトム・へイズ氏が収集したギターやローリング・ストーンズのギタリスト、ロン・ウッド制作のリトグラフ作品などを展示。
【主な展示品】
ギター/フェンダー(Fender)、ギブソン(Gibson)、マーティン(Martin) 他
リトグラフ/ロン・ウッド『エリック・クラプトンⅡ-Crossroads』『ジョン・レノンの肖像画』、絶滅危惧種の連作4点
書籍/『Crossfire Hurricane』Bob Gruen著、『Pleased to meet you』Michael Putland著 他
【展覧会によせて】
きわめて個人的な、この展示室にお立ち寄りいただきありがとうございます。
ここにあるリトグラフ、ギター、書籍類は、私の夫、トーマス(トム)・ヘイズが何年もかけてコレクションしたモノたちです。音楽と動物と魚沼の自然を心から愛したトムは、2021年9月に病でこの世を去りました。65歳でした。
彼は生前、ローリング・ストーンズのメンバー、ロン・ウッドが制作したリトグラフを眺めながら、「魚沼の人たちにも見てもらえたらな」と言っていたことがあります。結局実現することはなかったのですが、“それでは、私がトムに代わってその夢を叶えよう”と思い立ち、池田記念美術館さんにご相談させていただきました。そして、快く受けていただいたのです。
整理整頓が得意ではなかった夫なので、彼の死後、家のあちこちでそれまで見たことのないような遺品の数々が出てきました。それがギターであり、ストーンズやビートルズの豪華本であったのです。それらを見ているうちに、これはリトグラフ同様、いいえ、もしかしたらそれ以上に希少なものであり、魚沼の皆様にも楽しんでいただけるのではないかと思うようになりました。
何の脈絡もないようなコレクションですが、夫が心から愛したモノたちであるという共通点があります。皆様にもお楽しみいただけましたら、妻として至上の喜びです。
夫が亡くなったことは、1年以上経った今でも受け入れがたく、涙が乾くことはありません。ただ、30年という月日を彼と共に生きられたことには感謝の気持ちしかありません。そして、結婚式で誓った「病めるときも健やかなるときも、死が二人を分かつまで」慈しみ愛し合えたことは、この上ない幸せだったと感じています。
2022年秋 穴沢留美子
2022年10月29日